第21回 他人より信用できない甥っ子のおかげ?

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キーパーズ有限会社
代表取締役
宅地建物取引士
吉田太一 さん

2002年、日本初の遺品整理専門会社キーパーズを設立。年間1600件以上の遺品整理に携わるほか、スムーズな相続を実現するための不動産をはじめとした各種手続き、リサイクルなどあらゆる相談に応じている。さだまさし原作の映画「アントキノイノチ」のモデルとしても知られる。日本ペンクラブ会員。

 意外な言葉ですが、「身内が信用できない」という話をよく耳にします。
 特に相続に絡む問題では人間関係が大きく崩れることがよくあるのです。

 伴侶や実子がいる場合は、法定相続人としてある一定の相続権が決まっているので良いのですが、未婚の方の場合、相続人が兄弟や甥や姪になる場合が多く、心無い言葉などで精神的にショックを受ける高齢者も多いのです。

 私がご相談に伺いお会いした方は84歳の女性で、30年前に子供に先立たれ10年前に夫に先立たれてから一人暮らしをされている人でした。
 三年ほど前に買い物の帰りに道で転倒して、しばらく入院することになったころからよく見舞いに来てくれるようになった甥っ子がいたのだそうです。一か月後、退院してからも毎週のように自宅に顔を出しに来てくれたので、初めは親切な良い子だなと感謝していたそうです。

 しかし、最初は本当に厚意だったのかもしれない行動が、徐々に図々しくなってきて、高いお寿司や肉を買ってきて一緒に食べようということばかりになってきたそうです。買ってくるといってもお金は後でその女性が払うので、甥っ子は自分の食べたいものをお金を出さずに贅沢に食べれるという事なのです。
 ご近所の方や他の親戚の人も少しおかしいと思い、女性を心配して助言をくれるようになったのだそうですが、ご本人は甥っ子に言いにくさもあるうえに、もう来てくれなくなると考えると寂しくなるので言えなかったそうです。
 このように独居の高齢者の中には社会から孤立して自宅に引きこもり、毎日寂しい思いをしながらひっそりと生活している方が驚くほどたくさんいらっしゃるのです。

 そして、そんな日が半年も続いたある日のことでした。
「おばちゃん、もうぼちぼち遺言書を書いておいたほうが良いと思うんで、家はボクに相続するって書いておいてな」と突然甥っ子が言ったのだそうです。
 甥っ子は、その自分の失言にも気づいていないようで、買ってきたお寿司を機嫌よく食べて帰って行ったそうです。
 はっきりとこのような言葉を聞くとショックですよね。
 あの世に財産は持っていけないので、そのままいけば少しは相続させようと思っていたのにあの一言でその甥っ子とは縁を切ったとおっしゃってました。

 それから、気持ちの切り替えが出来て、消極的な生活から抜け出して積極的な生活を意識して楽しい日々を送れるようになったそうです。
 ある意味これは甥っ子のおかげなんでしょうかね(笑)
 私も全国の一人住まいの高齢者の相談に伺ってきましたが、このようなパラサイトシングルのような酷い人間もたくさんいるので注意してください。

遺品整理や残置物の撤去

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