第13回 社会から孤立しないための講演中に...

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キーパーズ有限会社
代表取締役
宅地建物取引士
吉田太一 さん

2002年、日本初の遺品整理専門会社キーパーズを設立。年間1600件以上の遺品整理に携わるほか、スムーズな相続を実現するための不動産をはじめとした各種手続き、リサイクルなどあらゆる相談に応じている。さだまさし原作の映画「アントキノイノチ」のモデルとしても知られる。日本ペンクラブ会員。

 先日私は、関西のある社会福祉会に講師として招かれて講演をしていました。講演は「遺品整理の現場から学ぶ、最期まで孤立しないために」という内容で、地域のケアマネージャーさんや民生委員、行政機関の方々への勉強会でした。遺品整理の話だけでなく、死についての考え方や、人間関係、未婚問題、社会からの孤立化などのお話と、私が作成した“『孤立死』あなたはだいじょうぶですか?”というDVDの放映を行う120分の講演会です。現在は年間20回程度ですが、多い年には年間に60回以上も全国でお話をしてきました。わたしの話を聞いた方は、孤立や孤立死を他人事とは考えず、自分も気を付けないといけないという気持ちになってお帰りになられます。

 今回もそのようなお話をさせて頂いていました。そして前半のお話が終わり、DVDの放映が始まり一旦私が演台から下がった時でした。ふと携帯電話を見ると九州で飲食店を経営している知り合いの方から着信が入っていたのです。普段掛ってくる事の無い方からの、着信なので少し気になって折り返しの電話を掛けてみる事にしました。すると、わたしも知っているその飲食店の元従業員が死後4か月で昨日発見されたというのです。知り合いは気の毒に思い、退職後もその方名義で借りていたマンションに住まわせてあげていたそうです。

 そして、そのマンションの中で亡くなっていたためにその方へ昨日警察から電話があったということです。ご近所からの異臭のクレームが発見に繋がったそうなのですが、4か月も発見が遅れたのは餓死だったからではないかと推測されます。わたしもよく知る男性の死でしたのでもちろん少しショックでしたが、それよりもこのような講演でDVDの放映中だったことにびっくりしました。少しは臭いが出ていましたが、室内の床にはほとんど染みがなく通常の孤立死で腐乱してしまった方の現場からするととてもきれいな状態でした。このことからも死因が餓死で、即身仏やミイラのような状況になってしまったのではないかと推測できるのです。

 また、通常このような場合この家を引き払って転居する入居者には告知義務はありませんが、その事実を知っていた賃貸人は次に入居者へ告知する義務があるのです。今回は、管理会社から知り合いに連絡が来て知ったそうなのでオーナーさんはご存知だと思いますが、どのような話し合いになるのかはまだわかりません。50歳代以降の未婚、独身、無職はとても危険ですが、だからといってそのような入居者を追い出すことはできません。今後は入居者の生活自体や健康状態をある程度把握できる仕組みを作るという、賃貸経営のリスク対策が重要な時代になっていくでしょう。

遺品整理や残置物の撤去

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