第5回 万が一、奥さんに先立たれたら…

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キーパーズ有限会社
代表取締役
宅地建物取引士
吉田太一 さん

2002年、日本初の遺品整理専門会社キーパーズを設立。年間1600件以上の遺品整理に携わるほか、スムーズな相続を実現するための不動産をはじめとした各種手続き、リサイクルなどあらゆる相談に応じている。さだまさし原作の映画「アントキノイノチ」のモデルとしても知られる。日本ペンクラブ会員。

 私が講演でよくお話しをする内容のなかで、必ず皆さんが大笑いしてくれる話があります。それは、「高齢男性は何の根拠もないのに、 "俺は嫁さんに看取ってもらう"と決めている人が多い!」という話と、「旦那が先にあの世に逝ってしまうと、ほとんどの嫁さんは生き生きして長生きするが、嫁さんが先に亡くなると旦那はすぐに弱って死んでしまう」というお話です。昔から言われ続けてきたことなのですが、高齢者であればいつ誰が聞いても大笑いするのです 。この話がウケる理由はなんだと思われますか?それは、"男性は頼りない生き物だから、女性がいなければ自分では何もできず生きていけないのよ"と男性を小馬鹿にした内容になっているので、女性にとって爽快感があるからだと思います。その裏には過去の社会において、男性優位の社会が続き、女性の立場が虐げられてきた時代があったことに影響されているのかもしれませんね。しかし、現代では男女平等が当然となり、「旦那さんは "俺は仕事ができる"と思っているかもしれないけれど、それは奥さんが仕事をしやすい環境を作ってくれているからだということを忘れないようにね」とハッキリ言える時代になりました。

 ところで、この話を聞いた男性の反応はどうだと思いますか?私は初め、男性がムッとするのかな?と思ったのですが、女性と一緒になって笑って納得している人が多いのです。ちょっと頼りない気もしますが、男性もちゃんとそのあたりを自覚しているのですね。いずれにしても旦那さんとしては、もし奥様に先立たれたとしても、文字通り弱って簡単に斃(くたば)るわけにはいきません。昔と違って洗濯機もあればコンビニだってあり、独りでも生活はしやすくなっているのですから。万が一を想定し、どのような現実にもある程度対処できるようにしておくことは、生きるための義務のようなものです。誰かが何とかしてくれるなんて考えは、誰かに負担をかけていることなのです。男性は退職後の人間関係が極端に減少してしまい、部屋に引きこもりがちになる人も多く見受けられます。奥様に先立たれて掃除もできずゴミ屋敷化した部屋となり、地域から孤立してしまい、死後何日も経ってから発見されるようなケースが遺品整理の現場では、私の会社だけでも年間に何十件もあります。

 いま奥様と夫婦二人暮らしの旦那様!もしもに備えて、今のうちから積極的に近所付き合いをして、料理、洗濯、掃除をある程度できるように練習しておいてくださいね。そうしなければ、死後何日も発見してもらえない孤立死も、他人事ではないと思ってください。

遺品整理や残置物の撤去

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