第4回 あっ!これが死臭か…(2)

自由変更部分

キーパーズ有限会社
代表取締役
宅地建物取引士
吉田太一 さん

2002年、日本初の遺品整理専門会社キーパーズを設立。年間1600件以上の遺品整理に携わるほか、スムーズな相続を実現するための不動産をはじめとした各種手続き、リサイクルなどあらゆる相談に応じている。さだまさし原作の映画「アントキノイノチ」のモデルとしても知られる。日本ペンクラブ会員。

 前回に引き続き、衝撃的な"死臭"との遭遇の後をお話しさせていただきます。

 私は今まで、1人で起業してから未経験の仕事をとてもたくさんお受けしてきました。そのほとんどがタウンページに業者が掲載されていたので、その業者さんに依頼すればいいだけでした。しかし、前回書かせていただきましたように、死臭の消臭を行う会社どころか、遺品整理を専門にする会社はありませんでしたので、依頼する先がなかったのです。ご遺族だけでなくアパートの大家さんも、すがる様な目で私を見ていました。ここで断るわけにはいきません。そこで私は会社に帰り、インターネットで検索してみたのです。"死臭""消臭""臭い""人の腐乱"などさまざまなキーワードで検索してみましたが、17年前の検索では情報量も少なくて直接参考になるものはありませんでした。しかし、消臭機というものがあることを知り、その会社に電話して機械を借り、実験を行ってみたのです。その結果、臭気は粒子でありオゾン03であればその粒子を分解してくれて、2週間で臭いが消えることがわかったのです。この時の経験から、日本初の死臭脱臭サービスという商品として販売して、現在までに数千件のお部屋の脱臭を行ってきたという経緯があります。ご遺族からも大家さんからもその時は感謝されたので、その当時はそれなりに満足感もありました。

 しかし、いくら死臭が消えてリノベーションを行い、誰が見てもわからなくなったからといって、次の入居者にその部屋の入居者が亡くなっていたという事実を伝える"告知義務"までを消してしまうことはできないのです。病死ならば告知義務はないとか、10年経ったから告知義務が消えるといったことはなく、部屋で起こった事実は永遠に告知しなくてはならないのです。つまり、一度このような事故が起こってしまった事故物件は永久に事故物件であり、将来に渡り収益が減少してしまうのです。ましてや、空き家や空室率激増の時代に、多少家賃が安くても、よほど立地が良くないと事故物件を選択する人はいません。

 このようなことからも、今後の賃貸経営では今まで以上に物件の資産価値を守るためのリスク対策が重要になってきます。事故が起こってしまった後の対策も重要ですが、事故の起こらない環境づくりが賃貸経営にも求められてくるのです。入居者同士のコミュニティ、健康や安心・安全を賃貸住宅のプラスαの付加価値とし、差別化を図ることが今後の強みになるかもしれません。皆さんの物件で、名前と顔が一致する入居者は何人おられますか?

遺品整理や残置物の撤去

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